人体の階層性
人体は、
約60兆個の細胞で構成されています。
でも、ただ適当に細胞を寄せ集めても、人体ができるわけではありません。
特定の細胞が集まって
組織を作り、異なる
組織が組み合わさって
器官を作り、似た働きの
器官が互いに連携して
器官系を作り、さまざまな
器官系が組み合わさって
人体となります。
人体の構造には、こんな風に階層があるんです。
人体の階層:人体>器官系>器官>組織>細胞>細胞小器官>分子>原子
階層 |
説明 |
例 |
人体 |
10個ほどの器官系の集まり |
自分の身体 |
器官系 |
共通の働きをする器官の集まり |
循環器系 |
器官 |
さまざまな組織の集まりで、肉眼で見えるような形を持つもの |
心臓、肝臓 |
組織 |
細胞の集まりで、器官を作る素材 |
心筋組織 |
細胞 |
顕微鏡で見える生命の単位 |
心筋細胞 |
細胞小器官 |
細胞の中で一定の働きを持つ、電子顕微鏡で見えるような構造 |
ミトコンドリア |
分子 |
複数の原子からなる、人体の働きにおける最小単位 |
ATP、DNA |
原子 |
原子核とそれを取り巻く1個または複数個の電子からなる、物質の基本的な構成要素 |
水素、酸素 |
次からは、人体の部分などを表すときの用語です。
医学や看護を学ぶ上でも必要ですが、臨床でも、覚えていないと困ってしまいますので、要暗記です^^;
人体の区分
頭部:下顎の下腺、顎関節、外後頭隆起(後頭骨にある突出部)を結ぶ線より上方
頸部:胸骨と鎖骨の上縁、肩峰、第7頸椎の棘突起を結ぶ線よりも上方
胸部:肋骨弓(第7〜第10肋軟骨の下縁に沿う、弓状の線)から第12胸椎の棘突起を結ぶ線まで
腹部:体幹の胸部よりも下方
上肢:肩峰と腋窩を結ぶ線から手の先まで
下肢:鼡径溝と腸骨稜(腸骨の上縁)に引いた線から足先まで
体表の区分
体腔
頭蓋腔:頭蓋骨の脳頭蓋に囲まれた腔
脊柱管:椎骨の椎孔をつないでできる管
胸腔:胸部の内臓を取り除いたあとにできる腔
腹腔:腹部の内臓を取り除いたあとにできる腔
骨盤腔:骨盤の小骨盤に囲まれた腔
基準面
正中面:からだの中心を通り、左右に分ける前後方向の面
矢状面:正中面に平行な面
前頭面:身体の左右を結び、前後に分ける面
水平面:地面に平行な面
(著者:坂井 建雄 他『ぜんぶわかる 人体解剖図』2011年発行、成美堂出版、P28)
基準経線
前正中線:身体前面で正中を通る垂線
胸骨線:胸骨の外側縁を通る垂線
胸骨傍線:胸骨線と鎖骨中線の中間を通る垂線
鎖骨中線(乳頭線):鎖骨中央を通る垂線
腋窩線:腋窩の中央を通る垂線
後正中線:身体後面で正中を通る垂線
肩甲線:肩甲骨の下角を通る垂線
身体の方向を示す用語
内側:身体の正中面に近い方
外側:身体の正中面から遠い方
腹側:身体の前側
背側:身体の後側
近位:下肢や上肢では体幹に近い方、消化管などでは始まりに近い方
遠位:下肢や上肢では体幹から遠い方、消化管などでは始まりと反対側
吻側(頭側):頭頸部や体幹の頭の先の方向
尾側:頭頸部や体幹の頭の先と反対側
橈側:橈骨の側
尺側:尺骨の側
掌側:手掌の側
背側:手背の側
脛側:脛骨の側
腓側:腓骨の側
底側:足の裏の側
背側:足の甲の側
浅:体表に近い側
深:体表から遠い側