多くの細胞 | 直径10〜30μm程度 | |
きわめて大きな細胞 | 直径200μm | 卵細胞 |
きわめて長い細胞 | 長さ十数cm | 骨格筋 |
輸送体 | チャネル | 膜タンパク質がいくつか集まり、中心部分に孔が開いた構造になっている。 必要に応じて孔が開閉し、物質を通す。(↑右図) 濃度勾配に沿って物質を輸送する。 ナトリウム(Na)チャネル、カリウム(K)チャネル、カルシウム(Ca)チャネル、塩素(Cl)チャネルなどがあり、それぞれ特定のイオンを通す。 |
ポンプ | ATPのエネルギーを利用して、電気的勾配あるいは濃度勾配に逆らって物質を輸送するシステム。 ナトリウムポンプ、カルシウムポンプ、H+-K+交換ポンプなどがある。 |
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担体 (キャリア) |
細胞が必要とする物質を細胞内に取り込む際にはたらくタンパク質。 細胞膜の表面で物質を結合して複合体の形で膜内を移動し、膜を隔てた反対側で物質が離れて透過が完了する。 輸送速度は、チャネルなどよりもはるかに遅い。 GLUT2(グルコース輸送体の一種)が代表。 |
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受容体 | ホルモンや神経伝達物質などを結合するタンパク質。 特定の物質に対しては、特定の受容体のみが対応する。 |
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酵素 | 細胞膜上のタンパク質には、酵素(生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子)としての役割を担っているものがある。 |
受動輸送 | 単純拡散 | 輸送体を介さず、物質が細胞膜を自発的に移動する。 |
促進拡散 | チャネルや担体を介した輸送。 | |
能動輸送 | ポンプを介した輸送。 |
核膜 | 内外2枚の膜(二重膜構造)。 ところどころに角膜孔があり、粗面小胞体とつながっている。 |
核小体 | 網状構造、1個ないし複数 。 rRNAの情報をコードしている遺伝子があり、rRNAを合成している。 |
染色質 | 核酸とヒストンというタンパク質の複合体。 細胞分裂時に見えるようになり、これを染色体という。 ヒトの染色体:23対46本(22対44本の常染色体と1対2本の性染色体) |
核質 (核液) |
DNA複製等に必要なヌクレオチドをはじめとする多くの物質や、細胞核の中で直接作用する酵素などが溶解している。 |
細胞質基質 | 細胞質のうち細胞小器官と封入体以外の部分で、粘性がありゲル状に近い。 水(物質のやり取りを媒介する)、タンパク質(細胞質基質の20〜30%がタンパク質で、主に酵素タンパク質として存在している)、各種有機酸(アミノ酸、脂肪酸など)、糖、核酸、銅、ミネラルなどで構成される。 細胞質基質の中では、細胞小器官との間での物質のやり取りが盛んに行われ、基礎的な代謝機能の場となっている 。 |
封入体 | 異常な物質の集積により形成される細胞内の異染色領域。 糖質、脂肪、タンパク質、分泌顆粒、色素、結晶質、異物、細菌、ウイルスなどで構成される。 |
小胞体 | 細胞質に広がる膜につつまれた袋。 内腔が互いに連絡していて、小管状・小胞状・扁平嚢状など様々な形をとる。 |
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粗面小胞体 | 表面にリボソームが付着。 タンパク質、ムコ多糖の合成・分泌が行われる。 |
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滑面小胞体 | リボソームが付着していない。 糖・脂質代謝(ステロイドホルモン合成など)や解毒が行われる。 |
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リボソーム | 小さな顆粒状で、粗面小胞体に付着するものと、細胞質内に遊離するものがある。 RNAと特殊なタンパク質を含んでいる。 核から遺伝情報を運んできたRNAをもとに、タンパク質を合成する場所。 |
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粗面小胞体に付着したリボソーム | 細胞膜に埋め込まれるタンパク質や細胞外に分泌されるタンパク質がつくられる。 | |
遊離リボソーム | 細胞質内で使われるタンパク質がつくられる。 | |
ゴルジ装置 (ゴルジ体) |
積み重なった扁平嚢のまわりに小胞が集まったもので、核の近くによく見られる。 粗面小胞体で作られたタンパク質に、糖、リン酸、硫酸、脂質などを結合させて、さまざまな生理的機能をもつようにする。 |
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中心小体 (中心体) |
2つ1組の中心子からなる。 細胞分裂のときに細胞の両極に移動し、染色体を引き寄せる中心となる。 |
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ミトコンドリア | 0.5〜1μmの球状ないし糸状の構造で、内膜と外膜という二重の袋からなる。 炭水化物や脂肪を酸化する酵素(呼吸酵素)を含み、クエン酸回路、電子伝達系を介してエネルギー産生(ATP合成)を行う。 |
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リソソーム (水解小体) |
膜につつまれた球状の小体。 高分子の物質を加水分解する酵素を多く含んでいる。 細胞外から取り込んだ物質や、変性・死滅した細胞小器官を分解する。 |
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細胞骨格 | タンパク質がつくる繊維状の構造物。 細胞の構造を保持したり、細胞の運動を行っている。 |
原核細胞 | 真核細胞 | ||
典型的な生物 | 細菌(真正細菌) | 古細菌 | 真核生物(原生生物、真菌、植物、動物) |
一般的な大きさ | 1〜10 μm | 5〜100 μm | |
細胞核の形態 | 核様体(はっきりとした核の境界は無い。核膜の存在はごく稀)。 | 二重膜で区切られたはっきりした核がある。 | |
DNAの形態 | 環状。 直線状は稀。 |
環状。ヒストンと結合している。 | 直線状で、ヒストンと結合している。 細胞分裂時には染色体を形成する。 末端はテロメアと結合する。 |
DNAの存在様式 | 裸のDNA | クロマチン様 | タンパク質が結合したクロマチン様 |
RNA-/タンパク 質-合成 |
細胞質中で行われる。 | RNAの合成は核の中で、タンパク質の合成は細胞質で行われる。 | |
リボソーム | 50S+30S | 60S+40S | |
細胞質 | エステル型脂質 | エーテル型脂質 | 膜と細胞骨格によって高度に構造化されている。 |
細胞壁 | ペプチドグリカン ムラミン酸を持つ |
タンパク質 ムラミン酸は無い |
あり・なし |
細胞の移動 | フラジェリンから構成される鞭毛 滑走 |
古細菌型鞭毛 | チューブリンから構成される鞭毛と繊毛 |
ミトコンドリア | なし | 1〜数十個 | |
葉緑体 | なし | 藻類と植物にある | |
組織化 | 通常単細胞 稀に群体 |
単細胞 稀に群体、融合細胞 |
単細胞 群体から高度に分化した多細胞まで |
細胞分裂 | Zリング | Cdv細胞分裂機構 出芽(テルモプロテウス目) Zリング(エウリ古細菌) |
収縮環 細胞板(植物) |
細胞骨格 | なし | あり | |
原形質流動 | なし | あり |